離婚にはいくつか種類があることをご存じでしょうか?
厚生労働省が発表した2023年の離婚件数は187,798組、そのほとんどが互いに話し合って離婚する「協議離婚」を選択しています。
それ以外の離婚は、調停や裁判、審判など、裁判所が間に入って離婚の話し合いを行います。
今回は、離婚の種類やそれぞれのメリット、デメリットについて詳しく解説していきましょう。
離婚の種類は以下の6つです。
協議離婚は双方の話し合いによって離婚が成立しますが、その他5種類の離婚方法は裁判所が関与して離婚するか否かを審議、判断します。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
民法第763条において、夫婦は話し合いによって離婚が可能です。
協議離婚は日本における離婚の中でも最も一般的で、最大のメリットは離婚届を作成して役所に提出するだけと、手続きが簡単なことが挙げられます。
逆に、財産分与や子どもの親権、養育費などの離婚条件で合意できず、協議が進まないこともある点がデメリットといえるでしょう。
また、養育費や慰謝料の額を文書に残さず口頭でのやり取りのみで済ませてしまったり、細部まで決めることなく離婚し、後日お金を支払ってもらえなかったりというトラブルも少なくありません。
第三者を交えて書類を作成して、客観的な証拠を残しておくなどの対処は必要です。
調停離婚は、協議離婚で合意できない場合に家庭裁判所に申し立て、男女各1名ずつの調停委員が間に入って話し合いを進める離婚方法です。
離婚の訴えを提起する前に、必ず調停を経る必要がある(調停前置主義)ため、協議離婚の次に多いのがこの調停離婚になります。
メリットは主に以下の2つです。
当事者のみで話すよりもスムーズに話が進むことも多く、冷静に話し合いができない場合には大きなメリットとなります。
デメリットは主に2つです。
話し合いがこじれてなかなか進まず、調停が長期化する可能性があります。
また、月1回ペースで家庭裁判所に出頭する必要があるため、スケジュール調整や私生活にも影響が出やすく、長期化するとますます負担が増えます。
裁判離婚は、調停で離婚の合意ができなかった場合に、民法第770条において訴えを提起して裁判によって離婚を成立させる方法です。
裁判離婚するには、以下のような法定離婚原因が必要となります。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
引用元:民法 | e-Gov法令検索
メリットは主に以下の2つです。
法律に基づいて裁判官によって判断が下されるため、双方の主張を考慮した審判が下ります。
強制力もあるため夫婦間の合意は不要であり、離婚したいという意志が固い場合は大きなメリットがある離婚方法といえます。
デメリットは主に以下の3つです。
裁判離婚の審理期間は1~2年程度かかることが多いため、協議離婚や調停離婚など、互いに合意した上で離婚するより時間がかかる可能性が高くなります。
それに付随して、精神的な負担も大きくなるでしょう。
証拠を集める際の調査費用、弁護士費用なども必要になるため、金銭的な負担もあります。
さらに、裁判離婚は第三者が傍聴できる公開裁判が原則であるため、裁判所が非公開とすることを認めない限り、夫婦間・家庭内のプライバシーが公になります。
調停離婚は不成立となったが、裁判所が離婚を認めるのが適当と判断した場合に、調停に代わる審判がなされるのが審判離婚です。
異議申し立てがなければ離婚は成立しますが、夫婦の一方が異議申し立てをすると無効となります。
調停後は裁判離婚になることが多いため、審判離婚が成立することは珍しいケースです。
裁判中に被告が原告の訴えを全面的に受け入れることを認諾離婚といいます。
財産分与は当事者間で話がついている、子どもがいないなど、親権問題、財産分与、慰謝料の訴えがない場合に限るため、成立するケースは極めてまれな離婚方法です。
離婚訴訟中に裁判所から和解勧告がなされた際に、当事者の話し合いによって離婚する方法です。
夫婦が離婚について合意すれば和解は成立し、判決を待たずに和解離婚が成立します。
メリットは主に2つです。
和解勧告を受けて双方が和解をした時点で離婚が成立するため、裁判期間が短縮でき、精神的な負担も軽減できます。
また、財産分与、支払い方法、面会交流などもろもろの条件を柔軟に決めることも可能となります。
デメリットは、互いに歩み寄る必要があるため、慰謝料や養育費などが希望よりも低くなる可能性があることです。
和解することで不利になるからと裁判離婚にこだわるのではなく、全体的な視点から和解に応じるかを検討することも重要です。
もちろん、どうしても受け入れがたい条件は、無理に和解する必要はありません。
しかし、弁護士や裁判所などの意見を踏まえて、妥協できる条件を模索するという視点も持っておく必要があるでしょう。
今回は、離婚の種類やメリット、デメリットについて解説しました。
離婚すると決めた後、夫婦間の話し合いで解決できるのが一番ですが、冷静になれない場合や先が見えず不安になることもあるでしょう。
まだ話し合いをするか決めかねているが、どういった手順で話を切り出せばいいかと悩んでいる方もいるかもしれません。
離婚に関して悩んでいる方は、弁護士などの専門家に相談することも検討してみましょう。